<サマセット・サイダー・ブランデー・カンパニーついて>
イングランドのアーティザンサイダー界のメッカであるサマセット州では長年大量生産のサイダーが造られる一方で、小さな生産者は100%ピュアなリンゴジュースを使用したクラフトサイダーを生産していました。
創始者であり、現当主のジュリアン・テンパリー氏は、海外にて色々と学んで帰国した後、大手サイダーとは違い、我々は違う哲学を持っており、業界の底辺を支えるしがない飲み物位置づけではなく、生産者の顔が見えるサイダー造りをしていくべきだと思い、農業を営んでいた父が所有するバロウヒルの73haの畑を継承し、サマセット・サイダー・ブランデー・カンパニーを設立。そして、200年以上前に造られていたサイダー・ブランデーの火を消さないようにしようとその痕跡を探り、フランス・ノルマンディー地方に足を運び、ノウハウを取得。1984年に英国初の完全なリンゴ酒の蒸留免許を取得した後、1989年にフランス、ノルマンディー地方より蒸留器ジョセフィーヌ、1993年に少し小さいが早い蒸留器フィフィを入手し、蒸留を開始。
「サイダー・ブランデー」という言葉自体は少なくとも1676年頃からあったものの、葡萄から造られるグレープ・ブランデーとの単なる言葉の違いとして認識しやすいようにするためだったが、オランダ語の「焼けたワイン」を意味するブランデーの言葉をしっかりと残していこうという意味も込めて、生産者名を「サマセット・サイダー・ブランデー・カンパニー」と名付けています。
現在PGI(Protected Geographical Indication)としてEU内で「サイダー・ブランデー」の言葉を使用できるのはこのサマセット・サイダー・ブランデーのみ。
そして、ジュリアン氏は特にジャージー種のリンゴに重きを置いており、生産する30%はビタースイートなタイプのリンゴであり、合計40種類以上を生産。
さらに、サマセットのリンゴの糖度が上がっていくのは11月下旬からということで、他の生産者より収穫を遅くし、プレスも年内ぎりぎりに行う手法をとっています。
また、ジュリアンには子供が4人おり、そのうちのマチルダが蔵を継ぐ予定ですが、娘の1人アリス・テンパリーMBEはロンドン、メイフェアにて英国発ラグジュアリーファッションブランドを営んでおり、顧客にはキャサリン妃やジェニファー・ロペスなどがおり、多くのセレブリティが愛用しています。
インディペンデント紙がハリーポッターに出てきそうだと形容した洋梨品種、ソーン、ブランディ、ヘンドル・ハフカップ種を使用。ここに際立った品種だが、ブレンドすることにより繊細なアロマと非常に口当たりよい中辛口に仕上がっており、喉の渇きを潤すにはもってこいの軽さを楽しめます。
(発泡・中辛口)